うめきたの先行開発地域「グランフロント大阪」が、今年4月26日に街開きしました。A、B、Cのブロックがあって、一斉のオープンではないのですが、それでも開業1ヶ月で来場者数は累計約700万を超える盛況振りだそうで、大阪駅北側の人の流れが変わってしまったように感じるほどです。それもそのはず、一寸した大型ショッピングセンターの開発とは比ぶべくもなく、「うめきた」の開発対象総面積は約24ha、そのうち約7haがグランフロント大阪ですから、スタートからスケールも思考の次元も違うように思えます。大都会のど真ん中で、これほど広い地域が高さも伴って再開発されるのは、近年では余り記憶になく、よく耳にする開発フレーズ=”街づくり”のまさに本格派という感じで、人々の関心の高さも無理からんと思います。
が、しかし、そこに身を置いて感じるフィーリングが、今までのものとは少し違うのです。それはスケール感だけではなく、その開発の姿勢にあるのではないかと思われます。「多様な人々や感動との出会いが新しいアイディアを育むまち」を開発ビジョンに、産官学の集積・交流による研究成果の創出と情報発信の機能を担う拠点としての「ナレッジキャピタル」を、街づくりの中核施設に位置づける考え方、つまりコラボレーションのこころが街全体に息づいているのです。それは、「産」の競演である「衣」「食」「住」「遊」の生活シーンに対応した200を越えるショップ&レストランなどの雰囲気にも滲み出ていて、ターゲット顧客との、売り一辺倒ではないかかわり合いが感じられ、それがこの地域一帯の魅力を創っているのかもしれません。
「ナレッジキャピタル」は、「感性と技術の融合により新たな価値を創出する」をコンセプトに、コラボオフィスやナレッジプラザを中核として、ナレッジサロン、ナレッジシアター、フューチャーライフショールーム、ナレッジショップス、コンベンションセンターなどを広大なスペースに集積し、《知の創造拠点》として機能させる”場”です。国内外でも類例のない施設であるため、当初はイメージされにくかったが、開業後は多くの人々で賑わい、「一般生活者も最先端の技術をエンターテイメントだと感じる時代になった」と関係者も自信を深めているようです。
ナレッジキャピタルの7階にある「ナレッジサロン」は、さまざまな業種業界の研究者や事業者、クリエイター、アーティスト、行政関係者などが、分野を超えた出会いと交流により、新しい価値創造をめざす会員制のサロンです。プロジェクトルーム、ワークスペース、ライブラリー、プレゼンテーションスペース、ラウンジなどの場と専従スタッフによる人的な支援の提供で、コラボレーション活動や新プロジェクトの実現などを積極的にバックアップしています。私どもイングアソシエイツも正会員としてこのサロンに入会し、設備を活用するほか、毎週木曜の夜のイベントで幅広い業界からゲストスピーカーを招いて行われるセミナー&交流会である「木曜サロン」にも参加していますが、これからも、ナレッジサロンを活用し、コラボレーションづくりや他業種との交流を深めたいと考えています。