社内旅行で金沢に行ってきました。金沢駅東口広場には「もてなしドーム」というガラスとパイプで構築された高さ30メートルものモダンな大屋根がある。そしてその先には米松の構造材で造られ堂々と重量感のある鼓門(つづみもん)というゲートがあり、能楽が盛んな金沢を象徴し“鼓”をモチーフにしたものであるらしい。ドームと門は現代性と伝統の調和をイメージさせているというが、金沢はほんとうにそんな街だった。何度か行っているがいい街だと思う。
近江町市場。近江商人がつくったといわれる金沢の台所で地元客はもとより観光客で賑わっている。シーズンなのか「のど黒」が目につく。人気の海鮮丼はやはり旨かった。
宿泊先のホテル山楽にて。伝統工芸の街らしく陶器や織物などをアレンジした内装には本物が持つ落ち着きがある。
金沢城界隈。隣接する兼六園とセットでこの周辺は金沢観光のメインゾーン。お城そのものは姫路城のような遺産的価値のある楼閣はないが、現存する種々の石垣にさすがに風趣があり、広々とした城内空間には、なぜか大らかな心地よさがある。さすが加賀百万石のふところの深さというべきか。
金沢21世紀美術館。さほど規模は大きくはないが開放的な印象のある美術館で、内外の現代作家によるコレクションもよい。あいにくの雨模様や撮影禁止などで写真が余り無いが、瀬戸内芸術祭でもおなじみのジェームズ・タレル(直島の地中美術館)や塩田千春の作品は撮影できた。折から「工芸とデザインの境目」という展覧会をやっていたが、工芸とデザインの相似性や伝統とモダンの対比をテーマとしており、金沢らしい企画展だと思った。、ふとなぜか金沢人は綿密な性格かなと思う。
かなざわ玉泉邸。ここでゆったりと昼食を楽しんだ。ここの庭は玉泉園として知られた金沢の名勝のひとつで、加賀藩二代藩主夫人「玉泉院」に由来する400年の歴史がある庭とのこと。立ち話をした玉泉邸のご主人によると、この庭はもとは兼六園の一部であったと話されていたように記憶するが、なるほどそうかと思える由緒を感じさせる格調があり、雨でしっとり濡れた風情はなかなかのものだった。
ひがし茶屋街。ここも名だたる観光スポット。天候が悪かったのに観光客はけっこう一杯で、ぞろぞろと通る人の連なりは祇園花見小路と同じです。そして町並みに情緒があるのもまた同じ。文化のある街にはどうも良い花街が生まれようで、これも人の世の習いなのでしょうか。
もっといろいろと行きたい所はあったのですが、小旅行はこれにて終わり。また訪れたい金沢でした。